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2018年度卒業論文をふりかえって

学部4年生6名が今年度の卒業論文を制作しました。 都市という大きなテーマのもと、それぞれの興味に合った内容について、調査や分析を行いました。

夏休み前までは主に既往研究の整理をしながら、ゼミ発表やそのディスカッションの中で具体的な研究テーマを絞っていきました。 研究テーマを絞りつつ、同時に担当者への聞き取りや資料集め、実態調査など、各研究に即した調査を行い、独自の研究内容を充実させていきました。 論文制作の時期、提出期限や発表の日時は個人によって異なったものの、各々が納得した形で卒業論文を完成させることができました。

論文制作を通して、論文の内容に直接関わるもの以外で、大きく3つのものを得ることができました。

まず1つ目は、自分の学問的な興味はどのようなところに存在しているのかを深く考える時間を持てたことです。今までは、自分の興味にある程度基づいた講義や実習を履修したり、大学内外で開催されるセミナー等に参加するという"興味を広げる"活動に注力していたような気がします。ただその中で、自分が一番好きなことはなんなのか、砕いて言うと、自分が学問的に一番興奮するポイントはどこなのか、という問いには答えることができていませんでした。その意味で卒業論文は自分が一から作成するもので、自分のやりたいことを明確にしない限り進みませんし、周りもアドバイスしようがありません。例えば筆者は、都市計画家や建築家が打ち立てる都市の理想像と、民間企業や利用者の行動に依拠する都市の現実の両立に自分の興味があると気づくことができました。

2つ目は、学術論文とはどのようなものなのかを知ることができたことです。これは論文の中の「既往研究の整理」と「本研究の位置付け」にあたります。既往研究の流れを汲んだもの、新規性の高いものなど人によって論文の位置付けは異なりますが、いずれにせよ、自分の論文が学術論文の中でどんな立ち位置にあるのか、というのは皆意識できていたのではないかと思います。これは、どうしても自分の世界に入りがちな研究において、常にその研究を客観視するという意味で非常に意義深く、また自身の修士論文にもよりスムーズに繋げることができます。

最後に、自分のことを知らない人に対して研究発表をすることの難しさです。卒業論文を執筆した後、その内容をまとめたスライドを作り、教授陣の前で発表を行います。普段研究の相談を受けてくださる黒瀬先生以外は、その研究をするに至った背景などを知らない、という状況です。限られた時間の中で、数ヶ月かけて制作した卒業論文の内容をいかにわかりやすく説明するか、というのが私たちにとって最後の課題であったと思います。ただ考えてみるとこのスキルはおそらく社会に出て必要なものだと感じました。またこれからの学会発表を通じて、このスキルを磨いていきたいです。

結びに、卒業論文制作にあたり協力してくださった黒瀬先生、研究室の先輩方に感謝申し上げます、ありがとうございました。

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